注:
この先の話には、18歳未満の方の閲覧にそぐわない表現があります。
(少々男性向きです)
18歳以上で、心身共に大人だと自覚のある方のみ、自己責任でお進み下さい。

星狩の孤独<2>



「……砕蜂……隊、長…?」

状況に、頭が付いていかない。
何だ、この状態は。
何故に、彼女が俺にまたがっている。

細い指が修兵の首へと伸びる。
反射的に体を強張らせた修兵に、砕蜂は瞬いた。

「殺したりはしない。そう怖がるな。ああ、だが暴れるなよ?鬼道で縛るのは面倒だ」

物騒な台詞と共に、修兵の死覇装の合わせ目が暴かれる。

「……っ!何するんっスか!」

辛うじて驚愕から回復した修兵は、腹上の少女を睨み据え、肌蹴はだけられた死覇装を掻き寄せる。
いや、掻き寄せようと、した。

だが。

「暴れるなと言っただろう」

華奢な手で草の上に押し付けられた己の上腕は、ぴくとも動かなかった。
信じられない怪力だ。

「腕など、筋一つ押さえれば動かなくなる」

修兵の表情に気付いたらしい。
砕蜂はつまらなさそうに呟くと、彼の腕を足で押さえ直し、空いた手を修兵の素肌へと置いた。
小さな掌がゆっくりと修兵の上半身をなぞり出す。

首筋から、浮き出た鎖骨へ。
そして胸へ。
ただなぞっているだけだというのに、その緩やかな動きはひどく淫靡だった。

「っ……!」
「感じるのか?」

男が思わず息を飲んだのに気付いて、砕蜂が小首を傾げる。

「案外敏感だな。それとも、よっぽど溜まっているのか」
「ふっ……ふざけないで下さいっ!さっきからあんた、何してるんっスか!」
「ふざけてなぞ無い。言っただろう。寝かせてやると」
「それと、今のこの体勢と、どう関係があるんっスか!?」
「気が立って眠れないのなら、出すのが一番だ」

身も蓋もない言葉と共に、首筋をぬるりとした感触がよぎる。
びくりと身を震わせた男の鎖骨に吸い付き印を付けると、砕蜂は至近距離から修兵を見下ろした。
潔癖な少女の顔。
だが、その黒曜石のような大きな瞳は、今や別人のように艶やかに濡れ光っていた。

「私が、抱いてやる」

   

   

***


砕蜂は再び修兵の首筋に、舌を這わせた。
今度は手だけでは無い。
唇と舌を使いながら、修兵の体を大胆に嬲っていく。

ふた筋だけ長く伸ばした砕蜂の黒髪が、それに合わせて肌を滑る。
どこからか、花のような甘い香りが漂ってくる。
修兵は思わず上げそうになった声を慌てて飲み込んだ。

――ヤバイ。

体の内側から、徐々に熱気が昇ってくる。
それをやり過ごすように、修兵は少女から顔を逸らした。

「砕蜂隊長……ご心配はありがたいんっスけど、こういうの、本当、結構です……から、離して下さい」

男として、女を組み敷くのは普通に好きだが、逆を好む性質は無い。
棚ボタと喜ぶにも、相手が相手だ。
最近ずっと女に触れていなかった体に、この仕打ちは正直キツ過ぎる。
理性が呑まれる前に離れないと、本当にマズイ。

ふっと、胸の上に笑うような息が落ちた。

「……お前の下半身は既に反応しているが」
「っ!」

その通りだった。
跨った砕蜂の尻の後ろで、硬く勃ち上がりかけているものがある。
体を起こした砕蜂は、後ろ手にゆっくりと修兵の袴の中に侵入した。

「力を抜け。気持ち良くしてやる」

陰毛の中を、焦らすようにゆっくりと進む細い指に、おこされた体の中の熱が導かれるように一か所に集まってくる。

――止めてくれ。

そう思うのに、体は明らかに逆の、もっと強い刺激を欲していた。
行きつ戻りつ彷徨った砕蜂の指が漸く根元へと届いた、瞬間。
既に大きく反りあがっていた肉棒は、袴の中でビクリと跳ね上がった。

「……砕蜂、隊長……っ!」
「何だ」
「ヤバイ……ですって!…あっ…つっ!」

そっと掴まれ、指先で下から上へと撫であげられる。
それだけで、背中にぞくりと快感が走った。

「これだけ期待しておいて、今更何を言う」

無表情に呟いて修兵の足元の方へと体をずらすと、砕蜂は修兵の袴を下ろし、猛ったモノを取り出した。

「言葉より、こちらの方が正直だな」

濡れた先端を、砕蜂は舌を伸ばしてぺろりと舐めた。

「……くっ…!」

その刺激に、修兵は堪らず声を上げた。
砕蜂の小さな口に、自分の肉棒がゆっくりと呑みこまれていく。
動き出した舌が、指が。
絶妙な強弱を付けて絡み付き、舐め上げ、吸い上げ、残った修兵の理性を溶かしていく。

護廷十三隊の中で、昔から密かに囁かれている噂があった。
“暗殺業務に従事する隠密機動隊は、閨房術を仕込まれる”というものだ。

『じゃあ、あの砕蜂隊長も?』
『まさか』
『見るからに処女だろ、あの人』
『けどもし本当なら……それ、すっげぇソソる、かも』
『確かに。なぁお前、今度大前田先輩に聞いてみろよ』
『殺されますって。マジ勘弁っス』

殆どが、酒の席での肴。
下らない猥談の一つだった。
だが。

「……っ!」
「ここか?」

修兵の少しの反応を察知し、感じる場所を的確に暴いていく砕蜂を見ていると、あの噂は本当だったかもしれないと思ってしまう。

大胆で繊細な少女の奉仕に、快感の波が徐々に大きく、短くなっていく。
足の間にうずくまる黒髪を押しのけようとする手にも、最早力が入らない。
いや、既に腕の拘束を解かれている事にすら、修兵は気付いていなかった。

砕蜂の口のピストンが速まる。
みなぎった修兵の猛りも、最早限界だった。

「そい…ふぉん……たい、ちょうっ!」

――意識が、飛ぶ。

「いいぞ。出せ」

その言葉が終らない内に、修兵は砕蜂の喉の奥に自身を放っていた。

   

***


修兵の吐き出したそれを、砕蜂は僅かに顔を顰めながらも全て飲み干した。
荒い息をつきながら、未だ自失から醒めきらない修兵はそれをただぼんやりと見ていた。

「……苦い」

呟く砕蜂の喉に、口に収まりきらなかった精液が飛び散っている。
細く垂れた白い液は、彼女の緩んだ死覇装の合わせ目の中へと消えていた。
月光により、一層白く見える胸の谷間へと。
一度意識すると目が離せなくなった。

あそこに触れたい。
そしてその隣の、柔らかなふくらみへ。
きめの細かそうなあの肌は、触れれば大層気持ち良さそうだ。
それに――視線を動かし、修兵は砕蜂の細い腰を眺め回した。

口であれほど気持ち良かったのなら、彼女の中はそれ以上に具合がいい筈だ。

「……ふうん?」

口を拭った砕蜂が、修兵の変化に気付いて片眉を上げる。

「あれでは足りなかったか?それとも……ようやく効いてきたか」

少女の指が動き、再び勃ち上がった修兵の肉棒をつとなぞる。
その腕を捕まえて、修兵は彼女を草の上に押し倒した。

草の匂いに交じって、砕蜂の汗の匂いがした。
それだけで、異常な程興奮してくる。

おかしい。
たった今、溜まったモノを吐き出したばかりだというのに。
だがその疑問を追う思考力は、修兵の中からとうに消えていた。

「……隊、長」
「何だ」
「挿れさせてくれ」

答えを待たず、少女の死覇装の襟を乱暴に押し広げる。
小振りな乳房がふるりと揺れて外気にさらされた。
そこにかぶりつきたい衝動に駆られながら、修兵は熱に浮かされたように言った。

「あんたの中に、挿れたくてたまんねぇ…」
「……漸く素直になったな」

密かに嗅がせた媚薬が、効き始めたか。
砕蜂は口の端を上げて答えた。

「好きにするがいい」

   

***


小振りながら形良い胸を、両手で鷲掴みにした。
手に吸いつくように柔らかい双丘を、押しつぶすように揉む。
その中で一か所だけ硬くなっている乳首を親指で擦ると、組み敷いた体が、激しく跳ねた。

良すぎる反応に、もう一度繰り返す。

「……っ…!」
「声、出せばいいのに」
「別に、我慢しているわけではない」

一瞬、喉まで見せて反りあがったくせに、こちらを見返す瞳は平静そのもので、修兵は面白くない気分になる。

「そうっスか」

言って、三度攻める。
今度は口で。

「あっ……っ!」

舌でしこりを転がしながら時折吸いあげれば、さっきの比ではない反応があった。

「確かに、我慢しているわけじゃなさそうっスね」
「……貴様」

不機嫌そうに唸り声を上げる少女に構わず、修兵は再び乳房に吸いついた。
片手でもう一方のふくらみを揉みしだきながら、空いた手は性急に砕蜂の袴の中へと伸びた。

秘所を探れば、僅かな湿り気が修兵の指を濡らす。
だが、陰核を弄り始めるとすぐに潤いは増してきた。
相変わらず声は殆ど無いが、その分、体は雄弁だった。

女だ、と強く思う。
生娘ではない。
男を悦ばせ、また男に可愛がられた事のある、女の肌だった。

死覇装を殆ど脱がされ、草の中で荒い息と共に波打つその白い肌が、月光の下でぼうっと赤く染まっている。
膣を抜き差しする指を伝って、彼女の愛液が手の平まで垂れてくる。

――堪らねぇ。

目の前の煽情的な情景に、我慢が出来なくなった。
修兵は自分の猛りを取り出すと、砕蜂の秘所に押し当てた。

「あ……ん……っ!」
「くっ……!」

思った以上に狭い入口に押し戻されそうになったが、小さな体にのしかかるようにして腰を押すと、肉棒は愛液に導かれつるりと膣の中に納まった。

「つっ……!」

途端にきゅっと締め付けられ、修兵は思わず声を上げた。

「……中、すっげ、気持ちいい…」

狭い中を押し広げるように、修兵はゆっくりと腰を動かし始めた。
動く度に上がる淫猥な水音。
熱く絡み付く襞。
耐えるようにぎゅっと目を閉じた少女の顔。

耐えているのは、痛みだろうか、それとも快楽だろうか。
修兵の加虐心が煽られた。

「砕蜂隊長、気持ちいいっスか?」

胸への愛撫を再開しながら尋ねると、それまで隠れていた黒い瞳が細く覗いた。

「……ふん。貴様が、感じる、ほどでは、ない」
「ってことは、気持ちいいんスね?」

言いながら、立ち上がった乳首をきゅっと摘む。

「んっ……!」

途端に反りあがった首筋に、舌を這わせる。

「あっ……!」

どんどん敏感に乱れていく女にぞくぞくする。

「あんたこそ、素直じゃないっスね」

耳元でそう囁いてやると、俄かに砕蜂の視線が強くなった。

「……やはり、我慢できん」
「え?」
「この、体勢だ」

言い終わるや否や、修兵の視界が反転する。
体を繋げたまま、今や上下を入れ替わった砕蜂がゆらりと裸の上半身を起こす。

「何故私が下にならねばならん。言っただろう。私が貴様を抱くのだ」

見下ろして、薄い笑みを浮かべながら傲然と言い切る様は、まるで女王のようだった。

「さっき好きにしろって……」
「挿れるのはな」

だが抱くのは私だ――言葉と共に、砕蜂が腰を動かす。
最初は緩く、だが、徐々に激しく。

「くっ……!」

咥えた肉棒を翻弄するような腰の動きに、一瞬冷めかけた熱が再び上がる。
腹の上で踊るように腰を振る少女に合わせて、修兵も腰を突き上げる。

「ああっ…!」

女の喘ぎが、波を呼ぶ。
さっきよりも、高く、深い、快楽の波を。

「――檜佐木」

喘ぎと共に、名を呼ばれる。

「眠り、疲れを取り――力をつけろ。そして……奴と闘え。闘って、あやつから答えを引き出せ」

砕蜂の顔が、修兵へと近づいてくる。
潤んだ黒い瞳が、彼女の頂点も近い事を物語っていた。

「それが――貴様の救われる、唯一の道だ」
「そい……っ!」

言葉と共に、唇を塞がれる。
貪るように口腔内を犯されて。

その強烈な刺激に、修兵はあっという間に欲望を吐き出した――。







 

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